【アニメレビュー】ONE OUTS
私の知ってる野球アニメじゃない…
ONE OUTS(ワンナウツ)
2008年の秋アニメになります
タイトルのワンナウツというのは
「投手が三振を取るかインフィールドにボールがバウンドしたら投手の勝ち。打者が外野のフェアグラウンドまでボールを飛ばせば打者の勝ち。」
というルールで行われる賭け野球のことです
投手と打者の1vs1
そこに居合わせたギャラリーが2人の勝敗に金を賭ける方式のようです
八百長できちゃうやんけこれ
あとせめてヘルメットしてからバットを振ってくれ
作中では沖縄の米兵の間で流行ってるよって設定のよう
じゃあ賭け野球のアニメなの?って言われると…違います。
↑こいつが本作の主人公の渡久地(とくち)
このワンナウツという賭け野球で499戦無敗の男
球速はMAX130㎞/hちょい
最近の高校球児でももうちょい速い子いっぱいいますねぇ
なんと変化球も投げられないこの男は最強の野球選手ではなく”勝負師”で、相手のあらゆる仕草を観察して狙いを瞬時に見抜き、逆を突く技術でバッターを打ち取っていく
何を言ってるんだと思われることでしょう
ぜひ本編を見てください
↑児島
プロ野球”埼京彩株リカオンズ”の4番で打点王、本塁打王、首位打者、三冠王を複数回獲得してるオバケ
チームは埼玉に本拠地がある。パリーグという設定なのでおそらく西部ライオンズがモデル
毎年最下位の弱小球団だけどスタジアムの規模と国民的ヒーロー児島存在のおかげで動員数は12球団中3位!いるよねそんなチーム
沖縄にキャンプに来てた児島が渡久地に賭け野球を挑み、その才能を見出してプロ野球にスカウトするところから物語は始まります
※ここからは微量のネタバレも含みながら紹介しますが、ネタバレがあっても見てみたくなるよう心がけます
ほんへ
3話以降はちゃんとヘルメットかぶって野球やります
↑彩川オーナー
本作のガチクズ枠
リカオンズのオーナーで万年弱小球団である原因の1人
高い金を使って強い選手でチームを補強しなくても、年々客の動員数は上がってるのでヨシ!という考えの人。いるよねそんなオーナー
キャリアも実績もない君とプロ契約を結ぶのは児島の頼みだから仕方なく契約してあげるやで。当然、契約金(プロ選手が契約時にもらえるお金)は出ないし報酬は年俸制じゃなくて歩合制やで。といった感じ
歩合制のプロ契約って現実にあるんですかね
↑部長
オーナーの部下にして今作の良心枠
渡久地が提案した条件は
アウト1つ取るのにつき500万円というもの
そらこんな顔にもなるわ
ただし1失点するごとにオーナーに5000万円支払うという契約
オーナーは笑いながらOKを出し、こうして
”ワンナウツ契約”が結ばれます
※前年の最優秀防御率の投手が2.73の防御率なので、計算上は
1試合2.7点しか点を取られない投手に上記の契約をすると±0円になるらしい。マジかよ
それにしても序盤のこの時点でニヤニヤが止まらないほどの主人公無双フラグのオンパレード
この時点で3話なのですが、ここまで見れたら最後まで一瞬で見終わりますので気になった方はDアニメストアへ飛んでどうぞ。
おもしろさ、見どころの紹介
野球アニメなので”どうやって強敵を倒していくか”の過程も当然おもしろいのですが、”ガチクズ枠であるオーナーと主人公渡久地の戦い”が最後までおもしろいです
オーナーは最下位でも利益が出れば良いという考えのためチームの勝敗はどうでもよく、渡久地の給料をいかにして減らすかを考えています
真剣な表情と声色で「えぇ…」ってなるようなセリフを言うので一周回ってギャグになる
例えば6話~
3年連続日本一の千葉マリナーズ(多分千葉ロッテがモデル)相手の3連戦にて
3試合連続で渡久地が先発させられます
プロの試合なのに?
↑ニュースで3連戦の先発が全試合渡久地であることをニュースで知ったチームメイトたち
そらこうなるわ
中1日で3連続先発って一昔前の高校野球でもやらんぞ…
さすがの3日目は疲労で制球が乱れて?打ち込まれ
3回の時点で14失点
部下「仮に最後まで0点で抑えたとしても、彼の支払額は...
105億円です」
えぇ…(困惑)
そしてこの顔である
105億円の負債ってベテランプロ野球選手でもきついっすよどうすんのこれ…
8話は神回の1つ
タイトルでもう「えぇ…」ってなる
主人公は5回終了までに豪雨による中断がなされた場合、その試合は無効試合になるというルールを利用して自責点を0にすることを狙います
その手があったか…!
実況「渡久地はずっと四球を出して試合を引き延ばせばいいわけですね~」
解説「簡単ですよ。空振りしちゃえばいいんです」
実況「それでも3アウトまで9球かかりますからね~」
冷静ですねあなた方…
敵チームは時短のためにバッターボックスから飛び出してボール球を打ちます。あっ、これメジャーで見た反則だ!
主審「アウトォ!」
敵さんは大量リードしているためもう点を取ることではなく早く5回まで終了させてゲームの成立を狙います
しかしそんな作戦を見た主人公は...
わざとマウンドでボールを落としてボーク
これによって遅延を狙います。
主審「ボォォォォク!(迫真)」
なんと!打者が反則を取られる前にボークが取られては、これでずっとランナーが進み続けて試合が終わりませんね(早口
相手チーム「まだ手はあるッ…!」
(あるんですか?)
これを…
こうするんじゃい!
なんと渡久地が投げるふりをしてボールを落とす前に、右打者がサッと左打席に入れ替えました
えっ…
見てくださいよこの審判の顔
相手ベンチ「審判!」
審判「んん?!(半ギレ)」
相手ベンチ「野球規則によれば、投手が投球動作に入った後にバッターボックスを入れ替えた場合打者はアウト…でしたよね?(キメ顔)」
審判「…あーっ!」
「あうとぉ~」←声優さんいい芝居するわ
解説「これではずっとアウトになり続けますねぇ(真面目)」
いやいや…ようそんなルール把握してますね
プロ野球選手でも知らん人のほうが多いんちゃうか?
これは主人公詰んだか?
審判「ボール!(迫真)」
はっ?ボール?
審判「今のボールは(プレートを踏まずに投げる)反則球なのでボール1だ」
解説「おおっとこれはプレートを踏まずに投げたためボールになります」
いやいやいやいやいや…
ポケモン第6世代の優先度ゲーですか?
どっちが先に反則を取られるかを競ってるじゃないですか
プレート外し投法で全部がボール球扱いになるので四球が出続けます
これには相手も成す術なしか?
ベンチ「バッター3塁!3塁に走って」
塁審「あうと(棒)」
解説「えー走者が逆走した場合、遅延目的もしくは試合を愚弄する行為とみなされ、ランナーはアウトになります」
いやいやいやいやいやいやいやいやいや…
だいぶ前からみんな試合を愚弄してると思うんですが(困惑)
…続きはぜひアニメ本編を見てください
おもしろいです
金額のインフレも見どころです
結局0円で使い捨てられると思った渡久地の給料は、話が進むにつれてどんどん上がっていきオーナーはイライラしてきます
そんなオーナーは渡久地がなんとか失点するよう策を巡らせますが、渡久地の実力と頭脳が基本的に数段上手なため失敗し、給料は更に跳ね上がります
この給料の額面を見るだけでなんか笑いがこみあげてくるのも不思議なところ
4話ナレーション「これにより渡久地の推定年俸は...」
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えぇ…
オープン戦しか登板してないのにこれは凄まじいですねぇ
9話ナレーション「これにより渡久地の推定年俸は...」
<
えぇぇ…
Youtubeが本業のメジャーリーガー超えちゃったよ...
日本プロ野球界の最高年俸が6億とかなのでどれくらいぶっ飛んでるかがわかります
ナレーション「これにより渡久地の推定年俸は...」
<
あのさぁ…
ついにメジャーリーガーの最高年俸、ナショナルズの大エースを以てしても届かないお給料になりました。しゅごい
<
NBAの最高年俸さんでも届きませんでした。しゅごい
おススメ度:81点
総括になりますが、個人的なおすすめ度は100点満点中の81点
終始えぇ…ってなるヤバいアニメです。誉め言葉です。
作画は全然崩れないし野球を魅せるアングルなんかも上手いし演出もいい。BGMやSEはちょっと違和感あるかもしれませんが、アニメとしての完成度はとても良いです
制作のマッドハウスさん当時からいい仕事してたんすね
絵柄の好みは分かれるかもしれませんが、まぁ昔のアニメだなーってカンジではあります
野球特有の”間”があるのでテンポが遅いと感じる人は1.25倍速にしても楽しめると思われます
野球アニメなんだけどよくある野球アニメのような、友情、努力、熱い青春みたいな感じではないので、スポーツアニメではなく頭脳派のダークヒーローが活躍するアニメを見ている感覚で楽しめるし、突っ込みどころ満載の試合展開や話のオチは本当におもしろいです
2008年といえばとらドラ、CLANNADアフター、禁書、黒執事などビックタイトルが並んでいて、私自身最近初めてタイトルを聞いたレベルですので、
この作品も人気作に埋もれてしまったものの1つなのかなと
見たことのない方は是非、作業用にでも見てどうぞ。
あとがき
野球アニメ消化月間はまだ続いてるので他にも面白いのを見っけたらまた感想を書き残そうかなと思います
また、無限に時間を持て余した暇人なので、このアニメオススメですよって作品があったら是非コメントください