@choku1stの雑記

「人生」とかいうソシャゲを攻略していこう

留年4回したとある大学生の話【第2話】はじめての落単

【堕落編】

 

 

 

8月、大学は夏休みに入っていた。

バイトにもサークルにも慣れて、

大学生活が全体的に落ち着きを見せていた。

地元に帰省する人間も多い中、

バス代がもったいないという貧乏根性丸出しな理由で

帰省もしない方向で意思を固めていた。

 

初めての夏休みに入る前は非常に気分が高揚していた。

大学生活自体結構暇があって楽しかったけれど、

さらに暇なんてどんだけ楽しいのだろうとワクワクしていた。

しかし実際は暇すぎて苦痛だった。

 

夏が暑すぎるのと、人が地元に帰省していることも相まって

サークルには人が集まらない。

体育館はサウナのような状態、

部活でもないのに体に鞭打ってくる人は相当な真面目のみで、

来る人数は片手を使えば足りた。

アルバイトも忙しい時期を過ぎたため、

比較的のんびりと過ごすことが多く、退屈していた。

 

 

結局夏休みにできた新しいことは、

車の免許を取るため教習所に通うことだけで、

クソクソ言っているうちに9月になってしまう。

そんなある日、高校の同期と通話していた時にゲームの話題になった。

 

「みんなモンハン買う?」

 

ゲームをやらせてもらえない、

そもそもゲームを買う金がない家庭で育った自分は、

祖母にこっそり買ってもらったポケモンしか触ったことがない!

そんな中、高校の同期たちの楽しそうな過去作の話に興味をそそられる

 

 

「モンハン…やってみたい」

 

 

 

そこからは泥沼だった

 

まずこのゲーム、とても難しい。

もともとゲームの経験値が浅く、

アクションゲームが苦手だった自分には受験勉強以上の強大な試練だった。

攻撃が当たらない、操作性が悪い、

すぐ死ぬの連続で涙目になりながら大剣を振り回していた。

オンラインでは凄腕の同期たちにおんぶにだっこでクエストに引っ張りまわされ、

オフラインでは寝ることも忘れて狩り続けた。

レベルが上のボスに挑んでいく冒険者のごとく、

そのやりがいと紙一重でクリアできたことの達成感、

上達を感じる充実感で一気にのめり込んでいく。

 

大学生の夏休みというのは恐ろしく、

課題もなければ口を出してくる親もいないので、

文字通り時間が無限にある。

お勉強ばかりしていた反動と、

もともと集中力が人一倍あったので、

気が付いたら日付が2日変わっていたという日もあった。

これには香川県知事も激おこ。

 

食事に関してはご飯を炊く習慣だけは残っていたので、

炊飯器で飯を炊き、

食べるラー油ごはんですよで白米を食べていた。

 

さいころに、ダメ人間になるのは簡単だと

いろんな大人たちが言っていたのを覚えているが、

それは真実だった。

 

 

 

 

 

 

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【落単編】

 

 

 

食う→寝る→ゲームの生活が完成したころ

ふとカレンダーを見たら大学が始まってすでに2週間経っていて青ざめた。

大学始まるまであと2週間あるわ、お湯~

なんて言っていたのがつい昨日のように思っていたのに…

2週間分の遅れは相当大きいだろうと覚悟して授業に合流したが、

なんと全然問題が無かった

配られたレジュメの1/3も進んでおらず、

なんなら教授もレジュメを読めばわかることを色々と話しているようで、

「なるほどね」

と口に出してしまった。

 

なるほどじゃないが

 

結局その日から

出席した授業のほぼ全てが睡眠時間になってしまった。

 

寮に戻ったら即シャワーを浴びてモンハン

朝になったら授業に出てレジュメを回収して睡眠

もはや生活リズムをもとに戻すことはできなかった

 

 

 

大学のスポーツ大会行事が近付くと、

長らく顔を出していなかったサークルにも人が集まるようになり、

活気が戻ってきた。

 

大会本番で女子たちからの黄色い声援を浴びるためには

練習が必要だとわかっているのだろう。

序盤に2~3回来たきりの人もいれば、

初めて見る先輩もいたりとなかなか新鮮である。

 

あるあるだと思うが、

スポーツ大会が終わると

黄色い声援目当てに来ていた人間は消え去り、

試合形式で活動するのもギリギリな人数になる。

結果的に試合ができないから人が来なくなる

といった悪循環に陥り、

サークルが中~長期の機能不全になるのだ。

 

こうなると自分もモチベーションが自然に削がれ、

サークルに顔を出す頻度が自然と減っていった。

しかし全く退屈ではないし、落ち込むこともない。

むしろ喜んでいる自分がいた。

 

ゲームができるからだ。

 

 

 

 

 

冬になり、

体育館に顔を出す人間が数えるほどになると、

自分は完全にサークルを諦めてゲームに打ち込んだ

 

このあたりで通話にもう1つのゲームタイトルが浮上する

 

 

「艦これ」である

 

 

作業ゲーの耐性はここで培われたと言っても過言ではないだろう。

遠征を管理しひたすら同じ海域を周回する。

ドロップ結果で一喜一憂し、

通話で自慢しあう。

時間が無限になる自分にとっては

モンハンと同じくらいかそれ以上に最適なゲームだった。

アクションゲームよりも作業ゲーのほうが向いていたのである。

 

ポケモンXY

 

も、この時期に購入し、

進化したグラフィックと世界観、

新しくメガシンカが導入されたポケモンに、

エンジョイ勢ながら興奮していた。

 

当時は図鑑を埋める作業や色厳選が好きだったので、

オフラインで十分楽しめる遊び方をしていたこともあって、

大学内に持ちこんでプレイするようになってしまった。

 

長時間遠征の合間に大学に行ってポケモン…まぁなんという生活でしょう

 

 

 

隣で講義を受けていた友達も、

全く話を聞かずペンを動かさない自分を見て心配になったのか

「大丈夫?」

「留年しちゃうよ?」

といった声をかけてくれたが、

そんなことは歯牙にもかけず大丈夫だと一蹴して冒険を続けた。

 

正確な睡眠時間はわからず、

家に帰ってすぐにPCを立ち上げ、

出撃しながら図鑑埋めをしていたらそのまま

気絶するように眠る毎日だった。

しかし、こうなってもまだ留年することなど、

ましてや単位を1つ落とすことすらも微塵も考えていなかった。

 

えぇ!?と思う方もいるかもしれないが、

出席はちゃんとしていた

(※授業を聞いていたとは言っていない)

し、

レジュメも回収していた

(※板書漏れは友達のノートを見せてもらっていた)

ので、

 

内容は頭に入れて試験に臨めば大丈夫だと思っていた。

イキリ大学生の無謀な考えではなく、

比較的現実的なプランだったので焦ってはいなかった。

 

しかし盲点が1つだけあったのだ。

 

それが「実験科目」である

 

実験科目はどうやら1日休んだ時点で落単になるもので、

後から知った自分は「なんだそのクソ仕様は」とブチ切れていた。

 

ちなみにオリエンテーションの時点でもしっかり説明されていた

(※自分はそのころ狩りに行っていた)

し、

講義の概要の欄にもしっかり記載されていた。

 

第1回と第2回は実験の説明ということだったが、

出席もバッチリ取られていたようで

この時点でゲームオーバーなのだが

単位を1つ落とすことなど微塵も考えていなかった(2回目

 

 

 

 

春休みに入って少し時間が経ち、

成績がネットでチェックできるようになった。

どの科目も満点近い感触だったし、

怪しい科目も8割は解けた。

レポートも完璧に仕上げたし、好感触だった。

実験に関しても

「A評価いったんちゃう?最低でもBぐらい取れるやろw」

といった傲慢にも程がある気持ちだった

 

 

ウッキウキで成績表を見た

 

A

A

A

C

F← 

B

A

A

 

文字化けか?とか、

CとかBがあって思ったより悪かったなーとか、

全部AもしくはBの自信あったんだけどなーとか、

脳がバグって最初はその文字を認識できなかった。

 

「Fというのは通知表で言うところの1であって自分は生まれてこの方通知表では5か4しか取ったことが無くて自分はこの学校を首席で卒業して教員採用試験に一発合格してくぁwせdrftgyふじこlp」

 

 

そして数十秒経って冷静になり、

変な汗が垂れてきた。

 

 

留年しちゃうよ(笑)

 

 

友達のその言葉がよぎって、

すぐにパソコンを閉じ、

現実逃避しつつ

真っ暗な部屋でDSの電源を入れた。

 

 

 

 

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留年4回したとある大学生の話【第3話】留年確定の引きこもり - @choku1stの雑記

 

 

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