@choku1stの雑記

やりたくないことをやってる余裕は人生にない

留年4回したとある大学生の話【第11話】正社員になろう

 

 

【ワンオペ魔人になった1か月後】

 

 

大学7年生はフリーターを目指していた。

 

 

 

よく考えてみてほしい。

 

このまま就活をして、

就職が決まって、

正社員になったって、

現状のフリーターだって給料はそんなに大きくは変わらない。

 

勤続年数で給料が上がっていくが、

今以上の給料が果たして必要だろうか。

 

マネージャーを見てみよう。

いつ寝てるのかわからないくらい、ずっと仕事しているぞ?

ああなりたいのか?

 

グラブルできなくなっちゃうぞ?

バスケもできないぞ?

税金だっていっぱい取られちゃうぞ?

 

「そんなことないよ。社会人になるといいことあるよ」

 

 

たとえばどんなこと?

 

 

「社会的信用度が上がってもっとクレカが使える」

「ローンを組めるから家も買えるよ」

 

バカ者ォ!

 

クレカの使用金額を増やすなど愚か者のやることだ。

何故この世にゴールドカードやプラチナカードが存在すると思う。

 

お金をジャブジャブ使わせるためだ!

あなたは選ばれた人間です

あなたは社会の勝ち組に類する人間です

 

そう言っておだてて見栄をはらせてモノを消費させ

手数料や税金をいっぱい取りたいんだよ

 

住宅ローンを組むなど情弱のやることだ

ましてローンを組んで新築を購入するなど正気の沙汰とは思えない

ローンで車を買う人間はキ◯ガイ

 

”家賃が7万円ですって?払い続けてなにが残るんですか?”

”家を買えば毎月6万円の支払いであなたの手元には家という大きな資産が残るんですよ?”

 

こんな感じの決まり文句に乗せられて詐欺に引っかかっているとも知らずに、まったく滑稽だ。

資産とはプラスのキャッシュフローを生むものだ。

その家は貴様に毎月小遣いをくれるのか?

時が流れてその家は買った時よりも高い値段で売れるのか?

利息と言う無駄金を搾取されているとも知らずになぁ?

 

車なんか乗った瞬間に価値は半分になってしまうじゃないか

三分の一以下の価格で買える中古車の3倍の性能がその車にはあるのか?

 

 

 

「ぐぅ…正社員は安定してるもん」

 

 

すでに終身雇用など崩壊していることがなぜわからない?

 

いいかモノを作って売る時代は終わったんだ

技術力も市場の大きさも中国には絶対に勝てない

 

これからは能力を持った人間に高い給料を渡す時代なんだ

お前みたいな安定志向の1つの会社に定年までいようとする向上心のないおじいちゃんは給料が高いだけの邪魔者なんだよ

 

 

フリーターこそ最強!!

 

日本社会が1番求めているもの!!

 

 

会社にとっては福利厚生や社会保険料などの余計なコストを用意しなくて済む!安く定額で無限に働いてくれる都合のいい労働力!

 

こちらにとっては自分の時間を自由に用意できる最高の環境!

働きたいときに働いて、働きたくないときに休める!

責任あるポジションに就くわけじゃないので気楽に働ける!

困ったら労基が助けてくれる!

 

WIN WIN だ!

 

 

 

賃金が安いだの、

昔から給料が上がってないだのなんだのと騒がれているが、

 

十分高いわ日本のバイトの給料!

 

それが安く感じるなら貴様の金のかかりすぎる固定費を見直せ。

ちゃんと格安simを使っているのか?

 

DアニメストアYoutube、ネットフリックス、Amazonプライム

 

ソシャゲは基本プレイ無料!

 

家にいるだけでも退屈しない生活インフラがこれだけ整っているのに貧しいと感じるのは貴様の心が貧しいからじゃい!!

 

 

 

 

車の改造マスター

性風俗ますたー

港区女子(笑)のパパ

 

そんなお金が無限に溶ける人種にになりたければ

正社員になればいいさ!

給料の高い会社に限るがな!ハハッ!

 

 

「で、でも年金や社会保障はどうするの?」

 

 

生活保護があるじゃないか!

 

資産が無く、貯金も無く、働けない老人。

 

そんな人間が窓口に来たらどうする?

 

ハローワーク横流しすることもできまい。

 

確実に受け取れる!

 

そうだフリーターは老後の資金など気にする必要はない!

 

稼いだら稼いだ分だけ浪費できる最高の身分だ! 

 

真面目に年金を払って何になる?

年々もらえる金額は減り続けているというのに。

しかも受け取りの際にも税金が発生するのを知っていたか?

いいか正社員とは年寄りどもを支えるためだけに存在する国の奴隷だ!

住宅ローンという楔で自由を奪い、

終身雇用などという甘い言葉でくぎ付けにして、

死ぬまで安定した額の税金を確実に搾り取ろうという寸法だ。

定年超えても働いてくれたら更に税金が取れて、

国は嬉しいよなぁ?

 

 

「くぅーん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

_______________________________

 

 

【正社員になろう】

 

 

7年生の11月

 

 

 

私は親戚と飲んでいた。

 

 

 

資金援助をしてくれた祖父の娘で、

自分の叔母にあたる人物だ。

 

40歳すぎで職を辞めて針治療の専門学校に入学し、

経営を独学で学んで開業するという異色の経歴の持ち主。

時代に適応する大人の鑑のような方で、

自分が尊敬する人物の1人だった。

 

この方との会食がなければ、

今でもずっと牛丼を盛り続けていたかもしれない。

 

 

叔母は千葉県に家庭を持っているが、

毎年ボランティアでこちらを訪れていた。

(※ちなみに自分がいつもリアルで着用している“CHIBA”の文字が入ったウィンドブレーカーはこの叔母からの貰い物である)


自分が祖父に資金援助を求めたタイミングで祖父経由で事情を知り、

飯に誘ってくれたようだった。

 

 

 

 

 

酒が進むにつれて叔母の方から、

40歳を超えて専門学校に入ることにした経緯や、

学校での思い出話を語ってくれた。

 

 

周囲が18歳~24歳くらいの年の離れた若者ばかりだったこと。

自分1人だけおばちゃんだったが、

同じ1人の学生として輪に入れてもらえたこと。

人体の骨の名前や神経の名前など、

覚えることが多すぎて、

40超えた人間の頭では無理だと挫折しかけたこと。

学生との飲み会が楽しすぎて卒業が名残惜しかったことなど、

 

自分と共通点がありすぎて

 

「わかる」

 

という相槌しか打てなかった。

語彙力がもともとなかったのもあるが、

心のそこからの”わかる”だったのだ。

 

 

開業の理由については、

旦那さんが高校教師で、夫婦ともに共働きであったため、

税金を節約して収入を上げるために、

会社員という立場を辞めたかったこと。

 

更には、自分の自由に使える時間を増やしたかった

とのことだった。

 

わかりみが深すぎた。

もうこの人と自分の思考は完全に一致しているのではないか?

だいぶ狂った思想だと思っていたが、

自分以外にも似たような考えの人がこの世にいた!?

そう思うと嬉しくなった。

 

 

 

疲れた時は

「今日は終了です」

の看板を立てればいいだけだし、

働きたくない日は

「予約いっぱいです」

と受け付ければいいだけだから簡単だよ!

時給で慣らすと3000円くらいかな?

とも言っていた。

 

医療系の資格って強いなぁ…

と、しみじみ思った。

 

 

 

酒が回っていた自分はフリーター最強論を語った。

 

聞き上手な叔母は

 

「確かに~~」

 

「めっちゃわかる~~」

 

「その通りすぎワロタwww」

 

と、適切な相槌を打ち

1時間以上にわたる長話を聞いてくれた。

 

 

初めて人に将来の進路を打ち明けてすっきりした。

 

ずっと首を縦に振ってくれていた叔母に

 

「フリーター!いいね!がんばりな!」

 

という言葉をかけてもらえるだろうと、

当時の私はどこか期待していたのを記憶している。

しかし叔母が自分にかけた言葉は、

 

 

「もうちょっと考えてみてもいいんじゃない?」

 

 

というものだった。

 

あまりに意外な言葉に固まってしまった。

 

叔母曰く、

 

フリーターは何歳からでもなれる

 

世の中には仕事が思いのほか余っているし、

チョクはまだ若い。

大学生で25歳なんて年寄りだと感じてしまうかもしれないが、

世間一般から見た25歳はとても若いし、

選択肢は無限にある。

なんならチョクくらい勉強の要領がよければ、

今から大学を辞めて医学部を受験し直して医者にだってなれる。

お金は私とかじいちゃんがいくらでも出すもの。

 

 

嫌だったら辞めればいい

 

チョクが思うほど、社会人の世界は過酷じゃない。

むしろ国立大学を卒業できるというだけで、

超の付くブラック企業は本人次第で回避できる。

公務員の試験にも受かっているのだから、

そのまま役所に勤めてみてもいいと思う。

(※この年に教授の勧めで公務員試験受けていた)

もし会社勤めが苦しかったり、

はたまた退屈だったり、

肌に合わないと感じたらすぐに辞めればいい。

私のように専門学校に入って針師になるのもいい。

楽だぞ~^^

 

 

 

 

 

 

涙が流れた。

ただでさえ緩い涙腺がアルコールでさらに緩められ、

涙が止まらなかった。

 

 

ワイ「たしかに!」

 

 

 

反論の1つも出てこなかった。

そして泣きながらゲラゲラと笑ってしまった。

 

 

その通りすぎた。

 

自分はフリーターこそが最強という自分で出した結論を正解と信じて疑わなかったが、

それは人生の中で無数にある正解の1つに過ぎない。

それどころか、

自分にとっての最適解を見つけるチャンスを、

棒に振ろうとしていることに気付いた。

自分はまだ若いなんて、言われるまで気付かなかったし、

世の中が求める人間像ばかりを考えるあまり、

”自分個人”が世の中にどれくらい需要があるのか

なんて、そう言えばよく考えてこなかった。

自分には無限に選択肢が用意され、

それを選ぶ権利と時間がある。

 

世紀の大発見だった。

希望の光を1つ見つけた自分は、

その1つの光だけを見ており、

周りをまったく見ようとしていなかったことを痛感する。

 

 

極めつけは

嫌なら辞めればいい

という最強のマインドである。

人生観が一気に変わった。

 

そうだよ

とりあえずやってみて、

嫌だったらやめればええやん。

会社勤めが肌に合わなければフリーターでいい。

なんなら就活に失敗してもフリーターでいい。

いやいや、

ほかにもいくらでも道はある。

ミスったら何の専門学校を受けようか…

思い切って別な大学でも受けてみようか…

企業してみるのもいいかもな…

 

 

 

 

 

 

 

 

何分かの間、

 

「そうだよな…」

 

と言いながら笑い続け、

落ち着いてから自分は決意するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

真面目に就活してみよう。

 

 

 

 

 

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つづく

 

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