@choku1stの雑記

やりたくないことをやってる余裕は人生にない

留年4回したとある大学生の話【第5話】激変する家庭

 

 

 

【4年前期】

 

 

 

ある日ライブキャンパスを覗き、自分の学年をチェックしてみた。

ろくに出席もせず、単位を落としまくり、

学生と名乗っていいのかわからないほど勉強をしない人間は

果たして大学側は何年生という認識をしているのだろうか

 

 

学年:4

 

 

4年生だった

一応形式上そういうことになるのか、もしくは3年次から履修可能な科目が取れていたから4年生扱いなのか、

詳しい仕様は不明だが、大学様がそうおっしゃるなら…ということで堂々と4年生を名乗ることにした。

 

 

バスケのサークルでも一応最高学年ということになり、恒例の自己紹介では

「”4年の”チョクです。よろしくお願いします」

と至極当たり前の挨拶をすることになる。

何もおかしくはない。

 

 

 

学業のモチベーションの方はというと

 

全く上がらなかった

 

 

 

生き方を見つめなおし、深く考えすぎた自分は

「人生は金ではない、必要最小限の金銭と、趣味を最大限楽しめる無限大の時間」

 

 これこそが究極に必要なものであり真理だと思い、

その実現のためには大学を卒業してもしなくても、

正直どちらでもよくて、

ダラダラ通って卒業できたらラッキー程度に考えていた。

さすがに大学をなめすぎである。

 

 

同期はみんな就活に追われ、卒論に追われ、

会う時の服装がラフなものではなく、

しっかりと決まったスーツになっていく。

髪を染めていた人間も黒髪になり、

どこかピリピリとした気配と

大人びた雰囲気を帯びていくようになっていった。

 

一方、自分はいつも通りの

上下ジャージで貰い物統一装備だった。

4年生だが就活をしないのだ。

何て気楽なんだろう。

 

 

正直なところ、

この時はクズ人間であることを特権階級であるかのように考え、悦に浸っていたのだ。

 

「みんなそんなに必至こいて企業分析したりインターンに参加したりして何になるというのかね?^^」

 

「人生はお金じゃないよ^^自分のようにゆとりある心と時間を持つことさ^^」

 

飲み会で就活の大変さを愚痴ったり、

内定がもらえなくて気が気じゃない様子の、

青ざめた顔をした同期に当たり障りのない言葉をかけつつ、

その心笑っていた。

ひどい奴である。

 

お前は就活しないのか?という問いにも

 

しないよ^^

 

と、にこやかに即答していた。

本当にどうかしている。

 

 

 

 

同期が就活やらの試練に苦しんでいる間、

自分はポケモンに打ち込んだ。

 

楽しいなぁ…♨

 

「卵の不可作業が眠くなったので、ちょっくら大学行くか」

「エアコン代の節約になるし、大学行くか」

 

といった感じで、

授業の真っ最中だろうと、

講義の終わり際だろうと関係ない。

とりあえずレジュメを回収したり

板書をこっそりスクショする。

そして卒業には全く必要のない、

別の学部の科目で空きコマを埋めていたので、

眠くなったらその教室に行き、

話だけ聞きながら不可作業をする。

教室に入った途端温かくて寝てしまうこともあった。

 

そんな最低最悪の学生ムーブをしていた。

 

自分が教授だったらゲーム機を破壊してやりたいし、

昭和の時代であれば顔面にチョークを投げつけてやりたい。

 

 

 

そんな低俗ムーブにより、

単位を落としたり落とさなかったりしながら、

適当にこなしていくうちに”単位数だけは”卒業可能なラインになった。

 

 

 

 

 

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【激変する家庭編】

 

 

 

夏休みになり、

突然母親から帰ってきてほしいと連絡が来る。

 

そういえば何年も実家に帰ってないなと思った。

 

自分は下に妹、

更に下に弟がいる母子家庭で、

3人兄弟の長男だった。

 

さすがに弟や妹が現在何をしているのか気になる。

しかしバス代がもったいないと考えたので、

一応要件を聞くが

母親は相変わらず、

LINEでは自分の打ち込む文字しか読めないらしく、

こちらの問いにはよくわからん答えを返してくるのであきらめた。

 

大学もないし、帰ってみるか。

 

 

 

実に3年ぶりの実家へ帰省である。

 

実は地元には何回か帰っていたのだ。

高校の同期と遊んだり、酒を飲んだり、

はたまた、

出身校のバスケ部の練習に顔を出したりしてはいたが、

そのたびに世話になっていたのは友達の家である。

 

次に母親の顔を見るのは死んだとき、

線香をあげるときだけだ!

それくらいブチ切れていた自分は

母親と会いたくなかったため、

弟や妹とひそかに連絡を取り合い、

母親の留守を狙って帰宅した。

 

 

 

玄関のドアを開けると

 

 

 

 

…見慣れない男の人がいる。

 

誰や!空き巣か?!

 

歳は見た感じ40~50くらいだった。

 

無警戒の状態だったところへの不意を突かれた出来事に

ワイはガッチガチに緊張して

 

「コ、コンニチハ~」

 

とカタコトな日本語を漏らした。

 

謎の男性からは

 

「おかえりなさい。どうぞ上がって。」

 

と優しく言われ、まるで自分の家であるかのような振る舞いに脳が混乱してきた。

 

 

弟も妹も実家にいるものだと思っていたが、いない。

謎の男性曰く、

弟妹は母親に連れられて買い物に行っている

とのことだった。

そして、しばらくして母親が帰宅すると、

母親は妹と弟を2階の部屋へ強制連行し、

テーブルを囲んで

 

<自分 vs 母親&謎の男性>

 

といった体面を作らされた。

 

一 体 何 が 始 ま る の か

 

 

そもそもこの男性は何者なのだ?

 

クズ大学生活にブチ切れて、説教をしつつ自分に対して暴力的な制裁を加えるための、その筋の人なのか

 

体はそこそこ鍛えていたので腕力には自信があったが、

脳内では

 

「殴りかかられた場合こうかわして、こう反撃して…」

 

とシミュレーションしていた。

やはり21歳✊になるとこーゆーことを考えるようになるものなのだろうか。

 

 

 

 

ガチガチな自分に対して2名はにこやかな表情だった。

とても説教するような雰囲気でもない。

 

しばらくの沈黙の後、先に口を開いたのは母親だった。

 

「◯◯さんと何か話せた?」

 

謎の男性のことを指して、出た名前

その名前を聞いて初めてよおおおおおおおおやく思い出した。

その男性は、自分が小学校の中盤くらいに家の面倒を見てくれた男性だった。

どうやら母親は、ワイとこの男性が顔見知りの前提で、

一人で留守番させてワイの帰りを待たせたらしい。

 

 

そんな物心つくかつかないかの年齢の時の大人覚えてるかボケ!!

 

 

内心そうツッコミながらぎこちない営業スマイルをしつつ話を合わせた。

 

こちらは初見で空き巣だと思っていたなんて言えない。

 

 

さらに母親は続ける

 

実は子供ができたの

 

 

ワイは脳みそを動かさないまま

 

「ほう…」

 

とか言っていた。

 

…ん?

どういうことでゴザイマスカ?

すぐさま脳みそを起動し、懸命に状況を整理しないと取り残される気がした。

”子供ができた”がどういうことなのかワイがよく理解できない状態のまま

男性が続けた

 

男性「お母さんと、3年前からお付き合いしていました」

 

 

なるほど完全に理解した!

ワイが大学に入り、家に1人分の空きスペースがタイミングで付き合っていたら妊娠してしまったと、そういうことですね!

 

ワイ「ほほう…」

 

なにがほほうやねん

 

 

男性「お母さんと、結婚させてください!」

 

 

いやそれワイが判断するんかい!

 

 

母子家庭の場合、母親の再婚の可否は

長男が認めるものなんですかね?

 

脳が処理する時間を稼ぎながら首を縦に何回か振り、

 

「癖の強い母親ですが、何卒よろしくお願いします」

 

と言ってお互いに深々と頭を下げた。

めでたしである。

 

 

 

 

母親「おととい入籍してきたんだ」

 

いやワイが判断する前に結婚してるんかーい!

 

 

 

祝いの気持ちが7割くらい減少し、

あきれて笑いながらそうですか…と言うしかなかった。

 

とんだ茶番である。

 

”玄関でエンカウントした空き巣は実は新しいパッパだった” 講談社

 

 

 

母親「赤ちゃんもうすぐ1歳と2か月になるんだ」

 

 

いや既に子供生まれてんのかい!しかも

生まれてからけっこう時間たってますやーん!

 

 

茶番にもほどがある

 

 

 

どうやら赤ん坊は男の子らしい

 

21歳クズ大学生は、知らない間に20歳下の弟をもつことになっていた。

 

 

 

 

 

 

その夜はすき焼きだった。

クソ高い肉と賑やかな食卓は

自分の家とは思えない空間だった。

 

そして食事の最中の会話にて、

弟は大学進学に向けて勉強中、

妹は地元の優良企業に就職を決めたことを知る。

 

実は我が家は全員絶望的におバカ家系なのだ。

弟は自分と同様の強豪ミニバス、強豪中学校、高校で結果も残しており、運動面の実績はあるものの勉学は下から数えたほうが早い。

妹は勉学も運動もできずどちらも下から数えたほうが早い。

 

 

そんな組み合わせの兄弟だった上に、

あらゆる親戚や、なくなった先代を含めても大学に進学したのは自分だけで、

貧乏な家庭環境も相まって、高校時代は

 

 

「まともな人生歩める人間はこの家でワイだけや」

 

 

と、失礼すぎる偏見と、

謎の使命感に燃えて勉強に勤しんでいたが、

この時すでに

 

 

「まともな人生歩んでないのこの家でワイだけや」

 

 

という自覚があったので、

とてもみじめな気持ちになった。

 

 

そんな気持ちを払しょくすべく、

「そうか~お前(妹)があの企業にな~^^よく受かったな~^^」

「そうか~お前(弟)が大学か~^^もっと肉食え~^^」

と、全力で褒め倒した。

 

他人を褒めると何故かこちらもいい気持ちになるもので、

肉をつまむ箸が止まらなかった。

 

 

 

 

こうして超貧乏母子家庭は、

働き手3人、学生2人、赤子1人

のまぁまぁな家庭にアップグレードされたのであった。

(されていたのであった)

 

 

 

 

 

 

クズ大学生が普通の大学生にアップグレードされるのは

一体いつになるのだろう

 

 

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つづく

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留年4回したとある大学生の話【第6話】自分のやりたいこと - @choku1stの雑記

 

 

1話→

留年4回したとある大学生の話【第1話】意識高い系新入生 - @choku1stの雑記